2011/03/06

[本]そうだったのか! 現代史

読了
そうだったのか! 現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)
そうだったのか! 現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)
池上 彰

はじめに
第一章 冷戦が終わって起きた「湾岸戦争」
第二章 冷戦が始まった
第三章 ドイツが東西に分割された
第四章 ソ連国内で信じられないことがスターリン批判
第五章 中国と台湾はなぜ対立する?
第六章 同じ民族が殺し合った朝鮮戦争
第七章 イスラエルが生まれ、戦争が始まった
第八章 世界は核戦争の縁に立ったキューバ危機
第九章 「文化大革命」という壮大な権力闘争
第十章 アジアの泥沼ベトナム戦争
第十一章 ポルポトという悪夢
第十二章「ソ連」という国がなくなった
第十三章 「電波」が国境を越えた!「ベルリンの壁」崩壊
第十四章 天安門広場が血に染まった
第十五章 お金が「商品」になった
第十六章 石油が「武器」になった
第十七章 「ひとつのヨーロッパ」への夢
第十八章 冷戦が終わって始まった戦争 旧ユーゴ紛争
おわりに

via:目次

職場の他部署のマネージャーから推薦していただいた本。

非常に充実した読了感。

少し前までテレビに出まくっていた池上彰氏による現代史の解説本。
そもそも、現代史って、学校の授業でおろそかにしがち。
少なくとも義務教育と言われている小学校の歴史や中学校の歴史の授業ではそうだった。
最初の、古代史や戦国時代などに時間が取られまくってしまい、結局、ほんのすこーしやって終わり。

なので、ここらへんの知識は本当に薄かったのだが、本書のおかげで補填できた。
というか、学校の勉強の教材の一つとして扱ってほしいところだ。

そうすれば、鬼に金棒だと思うんだけどなー。
むしろニュースや新聞を理解するためにはこっちの方が重要だと思うのだが。

で、内容に関して、第二次対戦以降、東西ドイツが分割されていたことは知っていたが、当初、ベルリンの壁というものは、西ドイツと東ドイツを分ける壁として存在していると思った。
が、しかし、実際は、首都ベルリンを東と西にわけるために存在していた壁だったじゃーあーりませんかー。

少し習った歴史の先入観がいかに間違っているかが鮮明になった瞬間だった。

それ意外にも漠然とした知識をより濃厚なものにしてくれる内容がたくさんあり、非常にありがたかった。

が、本書の内容がすべて納得のいくものではなかった。
とても小さいものかもしれないが、第十七章でEUに関する説明があるのだが、その中で、「基軸通貨は、ユーロ、ドル、円になるかもしれない。」という記述があった。
これは、「円」ではなく「元」じゃーないのかなーっと思った。
というのも、今や、経済規模は日本よりも中国の方が大きいので、円よりも元の方が取引量が増大し、結果的に、元の方がより重要な通貨になると思ったからだ。というか、そもそも、円が基軸通貨になる必要性があるのだろうか?仮になったとして、どんなメリットがあるのだろうか?ってかデメリットはないの?と妄想してしまった。本書の全体として見ると、わずか一行の内容なので、やっぱり気にする必要もないと思うが、ちょっと突っ込んだ。

第十八章の旧ユーゴ紛争に関する記述があるのだが、色々な民族や国が登場して頭の中で整理しずらい部分が多々あった。
ので、地図とかを間、間に差し挟んでほしかった。そうすればもっとわかりやすいと思うのだが。

現に、第三章のドイツに関す記述では、図やイメージがフンダンに入っており、めちゃんこ理解しやすかったので。

さらに、中国の歴史が、3章分あるのだが、どうして別々にわけてしまったのだろうか?
思い出すのに苦労してしまい、なんどか前の章に戻ることになってしまった。
連続した章だと読者が飽きてしまうと考慮に入れて、とびとびにしたのだろうか?
読解のしやすさからすれば連続した方がわかりやすいと思うのだが、いかがだろうか?

ってな具合で色々と書きましたが、結論として上記のことを考慮に入れても本書は買いだと思う。

これからも、池上氏には、素晴らしい書籍を書いてほしいものである。


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