2011/12/17

[本]不透明な時代を見抜く「統計思考力」

本物だ!!
不透明な時代を見抜く「統計思考力」
不透明な時代を見抜く「統計思考力」
神永 正博

目次
第1章 基礎編 ●データを見る
それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう!
1 生データを入手する
*それホント? まず、生データに当たれ!
*数学ができる=年収が高い?
*自分にとって重要な数字を頭に入れておく
*アメリカ・ベンチャービジネスの幻想

2 データを図にする
*データを時系列のグラフにするとよくわかる

・検証 若者の読書離れはほんとうか?
*本はほんとうに売れなくなっているのか?
*インターネットは本の敵?
*読書離れしていない若者とは?
*昔と今の大学生はイコールではない
*結局、読書離れしているのはだれか?
*それでも本は読まれている

・検証 小泉改革は格差を拡大したのか?
*格差を測るものさし ジニ係数とローレンツ曲線
*公式統計を見る1 日本のジニ係数からの検証
*公式統計を見る2 完全失業率からの検証
*公式統計を見る3 非正規雇用のデータからの検証
*データ集めのむずかしさ1 新しすぎる概念〈ワーキングプア〉
*データ集めのむずかしさ2 データの信頼性という問題〈生活保護〉
*データ集めのむずかしさ3 数えきれない数〈ホームレスとネットカフェ難民〉
*国の豊かさを測る1 平均給与
*国の豊かさを測る2 1人当たり実質GDP
*国の豊かさを測る3 貯蓄ゼロの世帯
*検証結果をまとめる
*ジニ係数は万能ではない
*私見─右肩下がりの時代に

・検証 連続する事件や事故に関係があるのか?
*似たようなニュースが続く理由
*航空機事故は流行るのか?
*地震は続く?ポアソン分布の怪
*すべての事件に物語があるわけではない

3 専門外のデータはこうして読もう
*バイオ燃料が地球を救う?
*木を見て森も見る

第2章 中級編 ●データを読む
統計の基本を知って、正しく読もう
1 基本をおさえる─平均と分散
*「平均」値が実感と合わないのはなぜ?
*庶民とお金持ちはここが違う
*株価の動きは読めるのか
*株価の動きに規則性はあるのか、ないのか?
*中学数学でわかる標準偏差
*標準偏差はなぜ2乗してルートを取るのか

2 足したら出てくる―正規分布
*ゆがみにご注意?ワイブル分布

3 一を聞いて十を知る―大数の法則
*なぜ、開票率数%で、「当確」が出るのか?
*アンケートは偏ることもある

4 分けて考えるべき分布
*奇跡の公式?ブラック・ショールズ評価式
*分けて考えるべき分布
*平均・分散が存在しない世界
*安全な資産運用は幻想である

5 因果関係と間違えるな―相関
*勉強が好きなら成績もいい?
*勉強時間が増えれば成績が上がる?
*「相関が高い」と言えるとき、言えないとき
*相関係数は曲がったことが嫌い
*関係ないのに相関係数が高い話

第3章 上級編 ●データを利用する
過去データから未来を予測する
1 未来を予測する
*経済予測はなぜプロでもむずかしいのか?
*ブラック・スワン
*人口はわたしたちに未来を語りかけている
*失業率のニュースをどうとらえるか?
*日本の出生率は上がるのか?
*人口ピラミッドで日本のこれからを読む
*中国の繁栄はいつまで続くのか

2 思考を練磨する オープンコラボレーション
*ロジカルな議論の実践?共産党の国会質問

3 自力で考えることの最大の敵

via:目次

スティーブ・ジョブズが「技術と芸術の交差点」なんて言っていたけど、本書はまさに「実務と学業との交差点」に位置する存在と言えよう。

ちょうど、大学の時に、統計学を専攻していたが、当時、一時限の授業で、高田馬場まで横須賀から通っていたから、ものすごく朝早く起こされた上、さらにこれ何に使うんだよーっと思いつつ、ものすごく不満とイライラを募らせていたことを振り返ると、もっと早く本書に出会っていたかった。

本書は、今、世の中で起きていることを統計データを使って検証していく内容なのですが、統計の世界では頻繁に使われている、「分散」、「標準分布」、「平均」、「ポアソン分布」、「回帰分析」を数式そのものを使わずに、その意味するところをわかりやすく解説しているところが最大の売りです。

おかげで、大学時代からずっと疑問に思っていたことも理解できたので、よかった。
やはり実世界で使うと思考がはっきりして便利なんだなーっと。

唯一残念だったのは、今度、業務で「ある仕事内容にかかっている時間数」と「売上げ」の散布図をとり、相関係数から因果関係を読みとろうとしたのですが、本書をひも解くと、「因果関係を表さない」と書かれてあり、ではどうすれば、因果関係を探り出せるかと読み進めていたのですが、結局、わからずじまいでした。本書の本筋からずれてしまうかもしれないが、やはり因果関係を読み解ける数式の紹介がほしかった。

ただこうして書評を書いていると統計そのものが因果関係を導きだそうとする行為であって、やはり回答を見つけるのは難しいのかなと自己完結してみたり。

さらに要望として、高校生や中学生版の本書がほしいなーっと。
大学までは本格的な統計学はないので、「どうして算数を勉強しなければいけないのか?」という一つの答えを提示できると思ったからだ。

本書は、ビジネスパソーンにももちろん役に立つ。しかし本書は「有権者」、すなわち社会に対して権利を持つ者すべてに役に立つ、統計を超えたリテラシーそのものの本なのだ。

via:21世紀の市民に必要な力 - 書評 - 不透明な時代を見抜く「統計思考力」
本当にそう思います。一人でも多くの方の手に届くことを願います。

本書の最後に文献が紹介されているのですが、詳細については、
「統計思考力」で読む文献
で紹介されています。

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