2016/01/21

[本]アグリ

読了

アグリ (TO文庫)
アグリ (TO文庫)
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TOブックス (2015-06-12)
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郷土料理の芋煮で有名な山形県に暮らす岡崎駿は、幼馴染の若林智香からふとでた
「おいしい里芋を食べてみたい」
という言葉に一発奮起して高校の課外研究で里芋作りに挑戦するのだが、
仲間とのコミュニケーションがあわなかったり、育てたことのない里芋作りに苦労したりと
次々と難問が彼にふりかかり読んでいる者を飽きさせない内容になっている。

普通の小説として読むだけでも十分なのだが、よく作者は、
ここまで里芋作りに関する調査をしたなーっと感心してしまった。
むしろ、本書で書かれている内容は、本当に確立された栽培方法なのか知りたくなってしまった。

しかも、山地で育てられたから山芋であるのに対して、里地で育ったもの里芋というそうで、これを知ったとき、今まで知らなかったことがちょっと恥ずかしく感じてしまった。

芋煮フェスティバルも毎年、何十万人もの参加者がいるみたいで、昨今、海外旅行者が増えているので、もっと増えているのかな想像してしまった。

本書の途中で駿は、ある出来事が起こり農家の茂さんのところへ作業の手伝いをしにいく場面があるのだが、ここで思ったのは、
茂さんは跡取りがいないので、仮にだが、もし用事があったり、何かあったりした場合に、作業を変わってくれる人が誰もいないので、休むことができないという問題があるなと。
実際にこれは日本の農家が抱えている問題でもあるのではないかと考えてしまった。
どのようなアプローチをすれば解決できるのかとしばし妄想したが、やはり難しい。

さらに、駿は、自分達の作った里芋を茂さんにアピールするのだが、
「提案された栽培方法で本当に採算が取れるのか?」
「そもそも苗の調達コストはどうなのか?」
と経営的なダメだしをする場面があるのだが、おいしい里芋作りに奮闘する駿には当然のことながらコストに関する意識はないので、ショックを受けるのである。
なので、ひょっとしたら、農業科の生徒も、生産管理に基づくコスト計算を学ぶ必要があるのではないかと思ってしまった。
学ぶのがメンドくさかったり、得意ではなかったりする学生も当然いると思うので、コスト計算がわかる生徒とペアで物作りをしていくのが重要なのではないだろうか?
なので、農業学校に経営科が必要ではないかと思うのだが。
この辺にも日本の農業が儲からないというイメージを与えている原因があるのかもしれない。

結論として日本農家の現実が優しくわかる小説だと思った。

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