2009/05/16

[本]インテル戦略転換

昨日、家内と日本経済の今後について話し合っている時に、この本がふと頭をよぎりました。



序章 パラノイアだけが生き残る—遅かれ早かれ、あなたの業界の基礎的要因に変化が起きる
第1章 何かが変わった—新しいルールが敷かれ、われわれは五億ドル近くの損失を被った
第2章 「10X」の変化—移行期の影響は深刻で、その時の対応が企業の将来を決める
第3章 コンピューター業界の変貌—コンピューティングの基盤だけでなく、競争の基盤も変化した
第4章 それは、どこにでも起こる—戦略転換点は、ハイテク業界特有の現象ではなく、誰の身にも降りかかる
第5章 われわれの手でやろうではないか?—メモリー事業の危機を克服し、われわれは戦略転換点の何たるかを学んだ
第6章 「シグナル」か、「ノイズ」か—シグナルを見分ける唯一の方法は、深く広く議論することである
第7章 カオスに統治させよう—解決は、実験から生まれる。殻を破ることから新たな発想が生まれる
第8章 カオスの手綱をとる—何を追求するかだけでなく、何を追求しないかを明確にすることが重要だ
第9章 インターネットはノイズか、シグナルか—数兆ドル規模の市場を左右するものは、それが何であろうと見逃せない

via:目次

インテルの共同創業者であるアンドリューグローブが書いた本書は、自社製品のちょっとしたバグが後々、ものすごい事件へと発展するところからお話がスタートするのですが、まるで物語のような感覚で本書を読むことができて、ものすごくおもしろかったです。

大学3年ぐらいの時に読んだのですが、今でも、覚えているしなー♪
(かれこれ5年前ぐらいですが。)

なんていったって、すべての事象について、彼がいつも細心の注意を払っていて、さらに、楽観的ではなく、悲観的な観測を持っているところが印象的でした。

悲観的な視点を持っているから、何もしないのではなく、悲観的だからこそ、どうやって現状を分析し、打破していくかというポジティブな姿勢で取り組むのが大事なんだと。

で、どうしてこの本が頭をよぎったのかというと、家内は今後、2、3年のうちに景気が回復すると思っているのですが、どうして、そう楽観的になれるのか、すごく疑問に思ってしまったのです。

今回のリセッションを、アンドリューは、いったい、どう思うのだろうか?と自問自答した時に、「彼ならきっと、今後、もっと、景気はひどくなる。」と言うと思ったので、そのまま、「もっと、景気はひどくなると思うよ。」と切り返してしまい、今回の議論に発展したのです。

だって、インテルをあんなに成功させた偉大な経営者が楽観的に思わないのだから。

に加え、サブプライムローンの問題、アメリカのマネーサプライの発表の中止、パナソニックの赤字産経新聞の30万部の発行部数の現象、若者の急速な新聞離れ、雑誌の売り上げの現象、テレビ会社の広告収入減少に伴う赤字、車離れと明らかに既存の産業構造が変化してしまっているのに、何故にそう思うのかと。

確かに、ユニクロ、しまむら、王将などが好業績をあげているのも知ってしますが、好業績の方が明らかに少ないわけで、それだけではとても、日本の不況を支えきることはできないと思うのです。

まーこの関連のお話は長くなりそうなので、ここでいったん止めますが。

よーは、「だからもうダメ」ではなく、「だからこそ、どうするのか?」というのが重要なんだと。

悲観的な考えを基準として、そこから色々な戦略を考えるということで、本書はとても勉強になりました。

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