2009/05/06

[本]カオス 新しい科学をつくる

残念ながらこの本も手放してしまうことにしました。



第1章 バタフライ効果
第2章 革命
第3章 いのちの満干
第4章 自然のジオメトリ
第5章 ストレンジ・アトラクタ
第6章 普遍性
第7章 実験者
第8章 カオスのイメージ
第9章 力学系集団
第10章 内なるリズム
第11章 カオスとその彼方

via:目次

本作は、難しい数式を使わずに、カオス理論について語る書籍。

すごく印象に残っているのは、ユークリッド幾何学をさらに拡張したような理論がでてくるところ。

例えば、紙の上に●を書きます。

紙をかなり上からみると、これは点に見えます、当然ですけど。
つまり0次元の点ですよね。

しかし徐々にその点を見つめながら紙の方に近づいていくと、しまいに、点が、有限の線になると思います。

線なので、これは一次元の線となります。

高校ぐらいのレベルの数学ならばここで終了でして、オッケーなのですが、なんとカオス理論を適用すると、点と線の間の次元、つまり、「0.5次元」の世界があるんじゃーないのっていうことを提唱してくれます。

始めこの考えに出会った時、正直鳥肌が立ちました。

普段なら、あたまり前じゃーんということに疑問を感じ、理論を導きだしてくれる、そんなおもしろさがあった本でした。

ほかにも、地図を測量する際に、ある程度、近似を行って測量しているので、実際、近似を行わずに測量を行おうとすると、結果として、測れない、つまり無限大になる可能性があると本書では語っています。

これはどういうことかというと、ある地点(A地点)からある地点(B地点)を測る方法として、AとBを結んだ直線を測る方法がありますが、他にも、中間地点として、Cを選択し、AからCまでの距離+BからCまでの距離で計測する方法がありますが、これは前者よりも距離が膨らみます。

中間地点を徐々に大きくしていくと、それだけ、精度が増す、つまり近似を行わなくなるので、距離が肥大化し、結果として、無限大となってしまうということです。

Aに神奈川県の横須賀市、Bに千葉県の千葉市を思い浮かべると、より想像しやすいかもしれません。

横須賀市と千葉市を直線で結んだ距離が実際の距離ではないですよね?
実際は、海外沿いをずっと測っていかなければ、ならず、海岸は上からみると、でこぼこしているので、どんどん中間地点を設けると、やがて測れなくなります。

このように、2つの例ですが、本書では他にも身近な例を使ってカオス理論について説明されているので、楽しく読むことができました。

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