家内がライブに行ってお留守番をしている間に読了
ワーキングプアは自己責任か
門倉 貴史
第1章 フリーター漂流時代の悲劇
via:目次
第2章 諸外国でも増える絶望する若者たち
第3章 ワーキングプアから脱出できない現実
第4章 「心のワーキングプア」になる正社員
第5章 ワーキングプアの連鎖を断ち切るために
おわりに
本書は、弾さんの「弾言」の中で紹介されていたので、読んでみました。
全体を通して暗〜い、話で、何一つ明るい話題がありませんでした。
逆にいうと、それだけ問題が深刻で、一人一人がきちんと考えなくてはいけないことなのだと。
ただ唯一の救いなのかなーっと思ったのが、総務省が発表したジニ係数を見ると、普段、実感している以上に格差は開いていないということが書かれていた。
後、厚生労働省が調査した結果によると、一ヶ月以上、えっちをしていない夫婦が3割ぐらいいたのですが、該当しないので、よかったなーっと。
所得格差が開いた原因として、プログラマーやSEの給料が他と比べて高いからと書かれていたが、現在はどうなのだろう?
IT業界にいるものとして、SEやプログラマーの中でもできる人とできない人での格差が広がってきているんじゃーないのかなーっと実感しています。
現代の女性は、働いていてある程度も収入を得ているので、自分自身以上に収入が多い男性を選ぶ傾向があり、よって、低所得者の男性が選ばれず結婚できず、そんでもって、セックスレス化に発展しているとあったが、学生の時に、今の家内と出会ってよかったなーっと安心しました。というのも、学生当時、収入もろくすっぽなかったので、そういった年収ベースで選んでくれたわけではないからだ。
本書が下流社会のようなクソ本と一線を画しているのは、まず現状の日本のワーキンプアや非正社員の状況を説明し、さらに正社員の問題、世界各国によるワーキンプアの問題なと問題毎にきちんとわかりやすくまとまっている点であります。
2章では、韓国の所得格差の問題について触れているが、日本以上に深刻だったのでびっくりしてしまった。
東方神起が好きなのと、新大久保でおいしいお菓子を買っているので、そんなことはないだろーっと、先入観を持っていたのが、そもそも間違っていた。
(こうして文字として起こしてみると、意味不明な先入観ですが。。。)
同様に、昨年、台北に行って夜市が、ものすごい賑わいだったので、きっと景気がいいんだろうなーっと思っていたのだが、それも間違っていて工場が次々と人件費の安い中国に移って空洞化が起きた結果、所得格差が開いてしまっているということが書いてあって、やはり観光だけではどうしても見えない部分があるんだなーっと。
(観光だけで把握しようとするのが安易な考えかもしれないのですが。。。)
話は、日本に戻りますが、現在、引きこもっている方の中に、30代や40代の方もいるというのに驚きを隠せなかった。
この時点で、もはや、ワーキンプアは、世代間を問わない問題なのだと改めて思いました。
また、本書では、いろいろな概念の言葉の勉強になりました。
ワークフェア
トリクルダウン
クズネッツの逆U字仮説
アノミー理論
などなど。
さらに、門倉onベーシック・インカム - 書評 - ワーキングプアは自己責任かにて、弾さんも、触れていますが、ベーシックインカム、ベーシックキャピタルという概念についても知る事ができます。
最後の一点ほど、反論が。
第5章で、「自分の子供が「ワーキンプア」にならないようにするためには」、ということで、その方法が記載されていましたが、その中で、就職して2年たってもすぐに会社を辞めさせないようにするということが書かれていましたが、全員が、全員、辞めさせないようにしなくてもいいんじゃーないのかなーっと。
その会社で何もすることがなく、自己の成長も見込めず、仕事ができると思うのながら、先に転職先をみつけてから、さっさと会社をやめるのもありだと思いました。
上のような反論はあるけれど、それでも、本書は、現在の日本、いや世界が抱えている問題を知るにはいい一冊であることには間違いない。
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