2011/07/31

お金とは? 「お金」崩壊

読了

第1章 空洞化する貯蓄
第2章 なぜ公の債務は増え続けるのか?
第3章 お金の本質
第4章 お金を“冗談”にしないために

via:目次

これは良書

もともと、弾言で紹介されていて、興味があり手にとったのですが、一言で言うならば、お金の歴史書。

第1章では現状の日本が抱えている債務について解説を行い、続いて第二章では、どうして国が抱えている借金が増え続けていくのか、江戸時代までさかのぼって解説している。
小学校の時に習った参勤交代制がどうして実施されたのかをお金の側面から解説されていたり、今の、郵便、簡保などの発足当時の背景などがあったりと非常に興味深かった。
ってか、学校の教育もここまで深く追求して解説してほしいぐらいだ。

これだけでも十分お腹いっぱいになるのだが、第3章では、日本だけに留まらず世界の行政のお金の歴史について紐解いてくれる。

ここまで抑えればお金の歴史の一本の道筋が見えてきます。
しかも、歴史は繰り返すというのが、実感として沸いてきます。

以上を踏まえて、第4章では、負債を減らすためには、お金と等価な存在であるエネルギーすなわち石油の消費量を減らせばいいと結論づけているが、現存する理論、例えば、風力発電、地熱発電をはじめ、とうもろこしから抽出したエタノール燃料などでは、完全実現できないと説いている。
適材適所で適用する分には、全く問題はないのだが、かわりにもっと原始的な方法つまり1960年代ような電気の使い方をすればいいのではないかと書かれている。

ドラスティックにいきなり実施するのではなく徐々にと。
今の若い人に原始的になることを強要することはできるのだろうか?
ものすごく高度に便利に発達してしまったこの時代に。

最後に温暖化の原因としてCO2があげられていたが、本当にそれが原因なのだろうか?
教科書的な答えでは確かにそうだが、近年、温暖化の原因が複雑すぎて特定できないという情報もあるぐらいだ。
これについては、色々な説があるし、本書の内容とは、ずれているので、許容できるが。

それを差っぴいても本書は、教科書的なポジションとして最高の一冊である。

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