2010/12/27

[本]生物と無生物のあいだ

これもおもしろかったなー。

第一章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
第二章 アンサング・ヒーロー
第三章 フォー・レター・ワード
第四章 シャルガフのパズル
第五章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
第六章 ダークサイド・オブ・DNA
第七章 チャンスは、準備された心に降り立つ
第八章 原子が秩序を生み出すとき
第九章 動的平衡とは何か
第十章 タンパク質のかすかな口づけ
第十一章 内部の内部は外部である
第十二章 細胞膜のダイナミズム
第十三章 膜にかたちを与えるもの
第十四章 数・タイミング・ノックアウト
第十五章 時間という名の解けない折り紙

via:目次

弾さんの空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法に紹介されていたので、手に取ってみたのだが、予想を裏切れたおもしろさだった。

生物とは何か?本書では、それは自己複製システムを持っている物が生物という定義になっているのだが、では、病原体やウィルスはどうなのだろうか?自己複製できるが、電子顕微鏡でその正体をのぞくと、ほぼ物質に近い状態にあり、それって本当に生物なのか?違うのではないのか?そもそも生物の定義が「自己複製システムを持っている」というそのものが、違っているのではないか?というところから本書の旅は始まる。

途中では、野口英夫は本当に敏腕な学者だったのだろうか?という話や、DNAの2重ラセン構造を発見したのはワトソンとクリックなのだろうか?という本書とは若干、脇道にそれたような話もまたおもしろい。

教授や学者などが活躍している学会の実情なども普段の生活からでは中々のぞくことができないことも書かれていて、想像していた以上にこの世界も厳しいことも理解できたのでよかったと思う。

しかし、ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学のような生物に関する新書は本当におもしろい。

中学校や小学校で習った生物や化学に疑問を投げかけてくれる作品だからだ。

これからの読書生活を通してもっと、もっとすてきな本に巡り会えたらと思う。


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